無料公開中許認可の承継を型別に比較
事業を譲渡する、または相続で引き継ぐとき、許可・登録・届出が続くかどうかは、手続きの名前では決まりません。当サイトの個別ページがある許認可から、型ごとに代表例を5件ずつ選び、相続・事業譲渡で引き継げるか、新規に取り直すかを並べました。各行から個別ページで根拠条文を確認できます。
一部譲渡・欠格事由・自治体ごとの運用で扱いが変わることがあります。ここでは各個別ページの整理を型ごとに並べ直したもので、個別の判断はしません。全件の一覧は許認可の承継の扱い一覧にあります。
型の名前では決まらない(代表例の内訳)
| 型 | 承継の届出で引き継ぐ | 承認・認可が要る | 新規取得が要る(承継の定めなし) |
|---|---|---|---|
| 許可 | 2件 | 0件 | 3件 |
| 登録 | 1件 | 0件 | 6件 |
| 届出 | 1件 | 0件 | 4件 |
| 承認・認可 | 0件 | 6件 | 0件 |
許可・登録・届出のどれも、承継の届出で引き継げるものと新規取得が要るものが混ざります。引き継げるかは、手続きの名前ではなく、その法律に地位の承継を定めた条文があるかで決まります。件数は選んだ代表例の内訳で、全体の割合ではありません。
許可(承継に承認・認可が要らないもの)
同じ「許可」でも、承継の届出で引き継げるものと、後継者が新規に許可を受けるものに分かれます。
| 許認可(個別ページ) | 承継の扱い | 取り直し | 相続・譲渡の内容と根拠 |
|---|---|---|---|
| 飲食店等の営業許可(食品衛生法) | 承継の届出で引き継ぐ | 不要(承継の届出) | 譲渡・相続・合併・分割で地位を承継し、遅滞なく都道府県知事へ届出(食品衛生法第56条) |
| 食鳥処理の事業の許可 | 承継の届出で引き継ぐ | 不要(承継の届出) | 譲渡・相続・合併・分割で地位を承継し、遅滞なく書面を添えて都道府県知事へ届出(食鳥処理法第7条) |
| 古物商許可 | 新規取得が要る(承継の定めなし) | 新規取得が前提(承継の定めが見つからない) | 承継規定なし。後継者は新規に許可を受け、死亡・合併のとき許可証を返納(古物営業法第8条・第9条) |
| 産業廃棄物収集運搬業許可 | 新規取得が要る(承継の定めなし) | 新規取得が前提(承継の定めが見つからない) | 承継規定なし。後継者は新規に許可を受ける(処理施設の許可は別制度)(廃棄物処理法第14条) |
| 医療機器の修理業の許可 | 新規取得が要る(承継の定めなし) | 新規取得が前提(承継の定めが見つからない) | 承継規定は見つからない。許可は事業所ごと・修理区分ごとで有効期間5年。相続・譲渡の扱いは窓口確認(医薬品医療機器等法第40条の2・第40条の3) |
登録
登録も、承継の届出で引き継げるものは少数で、多くは承継規定が見つからず後継者が新規に登録します。
| 許認可(個別ページ) | 承継の扱い | 取り直し | 相続・譲渡の内容と根拠 |
|---|---|---|---|
| 登録電気工事業者 | 承継の届出で引き継ぐ | 不要(承継の届出) | 事業の全部の譲渡・相続・合併・分割で承継し、30日以内に届出(欠格事由に当たると承継しない)(電気工事業法第9条) |
| 旅行業登録 | 新規取得が要る(承継の定めなし) | 新規取得が前提(承継の定めが見つからない) | 承継規定なし。相続人が死亡後60日以内に登録申請すれば結果の通知までみなし登録(旅行業法第15条・第16条) |
| 解体工事業登録 | 新規取得が要る(承継の定めなし) | 新規取得が前提(承継の定めが見つからない) | 承継規定なし。死亡等は30日以内に届出、失効前に締結した契約の完成の範囲のみみなす(建設リサイクル法第27条・第29条) |
| 測量業者の登録 | 新規取得が要る(承継の定めなし) | 新規取得が前提(承継の定めが見つからない) | 承継規定なし。死亡・合併解散・廃止は30日以内に届出で登録消除、消除前の契約は継続可。後継者は新規に登録を受ける(測量法第55条の9・第55条の10・第55条の11) |
| 保険代理店(損害保険代理店・生命保険募集人)の登録 | 新規取得が要る(承継の定めなし) | 新規取得が前提(承継の定めが見つからない) | 承継規定は見つからない。個人の死亡は相続人が遅滞なく届出、登録は失効し、後継者は自分で登録(保険業法第276条・第280条) |
| 住宅宿泊管理業の登録 | 新規取得が要る(承継の定めなし) | 新規取得が前提(承継の定めが見つからない) | 承継規定なし。死亡・廃止などは30日以内に届出し、登録は失効するため後継者は新規登録(住宅宿泊事業法第22条・第28条) |
| 投資助言・代理業の登録 | 新規取得が要る(承継の定めなし) | 新規取得が前提(承継の定めが見つからない) | 承継規定なし。死亡・廃止・譲渡は30日以内に届出。投資助言業務の個人は相続人が死亡後60日間継続でき、その間に登録申請(金融商品取引法第29条・第50条の2) |
届出
届出制でも、クリーニング所のように地位を承継できるものと、届出は引き継がれず後継者が自分で届け出るものがあります。
| 許認可(個別ページ) | 承継の扱い | 取り直し | 相続・譲渡の内容と根拠 |
|---|---|---|---|
| クリーニング所 | 承継の届出で引き継ぐ | 不要(承継の届出) | 譲渡・相続・合併・分割で承継し、遅滞なく届出(クリーニング業法第5条の3) |
| 探偵業の届出 | 新規取得が要る(承継の定めなし) | 新規取得が前提(承継の定めが見つからない) | 届出制で承継規定なし。後継者が自分で届出する(探偵業法第4条) |
| 住宅宿泊事業(民泊)の届出 | 新規取得が要る(承継の定めなし) | 新規取得が前提(承継の定めが見つからない) | 届出が引き継がれる規定なし。死亡は知った日から30日以内、廃止は30日以内に届出(住宅宿泊事業法第3条) |
| 米穀の出荷・販売事業の届出 | 新規取得が要る(承継の定めなし) | 新規取得が前提(承継の定めが見つからない) | 承継規定は見つからない。事業を廃止したら遅滞なく廃止届、後継者は自分の開始届と読める(食糧法第47条) |
| 肥料・飼料・種苗の販売業の届出 | 新規取得が要る(承継の定めなし) | 新規取得が前提(承継の定めが見つからない) | 3法とも承継規定は見つからない。肥料は山口県が廃止と新規開始で対応と案内(肥料法第23条・飼料安全法第50条・種苗法第58条) |
承認・認可(もとは許可で、承継にも承認・認可が要るもの)
譲渡は事前の認可・承認、相続は死亡後の申請期限があるものです。取り直しではなく承認・認可を得る手続きになります。
| 許認可(個別ページ) | 承継の扱い | 取り直し | 相続・譲渡の内容と根拠 |
|---|---|---|---|
| 旅館業 | 承認・認可が要る | 取り直しではなく承認・認可を得る | 譲渡は知事の承認、相続は死亡後60日以内に承認申請(申請中はみなし許可)、合併・分割も承認(旅館業法第3条の2〜第3条の4) |
| 建設業許可 | 承認・認可が要る | 取り直しではなく承認・認可を得る | 全部譲渡・合併・分割は事前認可、相続は死亡後30日以内に認可申請(申請中はみなし許可)(建設業法第17条の2・第17条の3) |
| 一般貨物自動車運送事業 | 承認・認可が要る | 取り直しではなく承認・認可を得る | 譲渡・法人成りは事前認可、相続は死亡後60日以内に認可申請(申請中はみなし許可)(貨物自動車運送事業法第30条・第31条) |
| 風俗営業許可 | 承認・認可が要る | 取り直しではなく承認・認可を得る | 相続は死亡後60日以内に承認申請、合併・分割は事前承認。事業譲渡は条文上断定できず警察署へ確認(風営法第7条〜第7条の3) |
| 通関業 | 承認・認可が要る | 取り直しではなく承認・認可を得る | 相続は死亡後60日以内に承認申請、譲渡・合併・分割は事前の承認(通関業法第11条の2) |
| 鉱業権 | 承認・認可が要る | 取り直しではなく承認・認可を得る | 譲渡など相続以外の移転は経済産業大臣の許可。相続その他の一般承継は取得の日から3月以内に届出、基準に適合しないと一定期間内の譲渡を通知される(鉱業法第51条の2・第51条の3) |
表の読み方
「新規取得が前提」は、承継を定めた条文が見つからなかったものを、後継者が自分で取る前提で整理した区分です。実際に取り直しが要るかは、運用が自治体や窓口で異なる場合があるため、各個別ページと所管窓口で確認してください。相続の申請期限が日数で決まっているものは、期限の短い順に並べた許認可の承継の期限の暦を見ると比べられます。
廃業・承継・譲渡で許認可の手続きはどう違うか
| 選ぶ道 | 許認可で起きること | 詳しく見るページ |
|---|---|---|
| 廃業 | 許認可ごとに、廃止の届出や許可証の返納が要ります。営業保証金などを取り戻せるものがあります。 | 廃業のときに返す物・取り戻す金の一覧 |
| 承継(相続) | 承継の届出で続くもの、死亡後の申請で認可を得るもの、新規取得が要るものに分かれます。 | 許認可の承継の期限の暦 |
| 譲渡(事業譲渡) | 事前の認可・承認が要るものがあり、効力の日から逆算して申請します。取り直しになるものもあります。 | 許認可の承継の扱い一覧 |
どの道を選んでも、許認可ごとの扱いは上の型別の表と各個別ページで確認してください。手取り額の比較は廃業・承継・譲渡の手取り比較シミュレーターでできます。
よくある質問
- 「許可」「登録」「免許」といった名前で、承継できるかどうかは決まりますか?決まりません。名前が同じでも、条文の定めで扱いが分かれます。風俗営業の許可は、相続人が承認を受けると被相続人の風俗営業者の地位を承継します。宅地建物取引業の免許は、承継の定めがなく、相続人は廃業等の届出をします。出典:風営法第7条第4項、宅建業法第11条第1項第1号(e-Gov法令検索、2026-10-10確認)
- 承認・認可が要る許認可は、取り直しになりますか?取り直しではなく、承認・認可を得る手続きです。たとえば一般貨物自動車運送事業は、相続人が認可を受けると、被相続人に係る許可に基づく権利義務を承継します。ただし、認可を受けるための審査は別にあり、結果は申請してみないと分かりません。出典:貨物自動車運送事業法第31条第3項・第4項(e-Gov法令検索、2026-10-10確認)
- 自分の許認可がどの型か、どこで確かめればよいですか?このページの型別の比較と、許認可の承継の扱い一覧で、代表例と個別ページを確認できます。載っていない許認可は、根拠となる法律の条文と、所管の窓口で確かめます。個別の手続きの可否は、このサイトでは判断できません。出典:このページの型別の比較、許認可の承継の扱い一覧
あわせて確認する
許認可の承継の扱い一覧
所管官庁別に、承継届で引き継ぐもの・承認や認可が要るもの・新規取得が要るものを全件で比較
許認可の承継の期限の暦
相続の死亡後30日・60日、譲渡・合併分割の事前認可を短い順と形態別に確認
許認可の承継の手続き前チェックリスト
相続の場合・事業譲渡の場合に確かめる期限と届出先を、個別ページへのリンク付きで確認
廃業・承継・譲渡の手取り比較シミュレーター
3択の概算手取り額を比較するトップページに戻る
このページは会員登録・課金機能を持たず、入力値も扱いません。制度根拠・確認日は出典・一次資料の確認日一覧を参照してください。