無料公開中法人成りで許認可は引き継げる?新規取得・事前認可・届出承継の比較
個人事業を法人にするとき、許可・登録・届出は法人に自動では移りません。当サイトの個別ページが法人成りを名指しして整理している許認可を、新規に取り直すもの、事前に認可を受けるもの、届出で承継できるものに分けて並べました。この分け方は、相続のときの分け方とは別のものです。
ここでの整理は各個別ページの確認結果を写したもので、個別の判断はしません。自治体や所管庁の運用で手続きが変わることがあります。実際の手続きは所管窓口と、行政書士等の専門家へご確認ください。
新規に許可・届出をし直すもの(9件)
法人成りは、許可を受けた個人が事業をやめ、別人格の法人が新たに事業を始めることに当たるため、条文上は個人の許可や届出をそのまま法人に引き継げないと整理しているものです。
古物商許可
法人が自分の名義で新たに許可を受けます。個人の許可証は廃業のときの返納などが別に要ります。(古物営業法第8条・第9条)
産業廃棄物収集運搬業許可
法人が新たに許可を受けます。個人の許可を新設法人へ引き継ぐ規定は条文に見当たりません。(廃棄物処理法第14条)
一般廃棄物収集運搬業許可
市町村長の許可で、法人が新たに許可を受けます。個人の許可はそのまま引き継げません。(廃棄物処理法第7条)
探偵業の届出
届出制のため許可制より手続きは軽い一方、法人が自分の名義で新たに届け出ます。(探偵業法第4条)
有料職業紹介事業の許可
一般財団法人日本職業協会の解説によれば、個人の紹介事業所が法人化する場合も、新たに許可を取る必要があります。(職業安定法第30条第1項)
指定給水装置工事事業者(指定水道工事店)
指定を受けているのは申請した個人で、法人は別の者なので、法人として水道事業者に指定を申請する整理です。法人成りの特例を定めた条文は確認できていません。(水道法第25条の2)
訪問看護の事業所指定
指定は事業を行う者の申請で受けるもので、条文に引き継ぐ規定が見当たらず、新しい事業者があらためて申請する整理です。条文が書いた結論ではなく、個別ページでの整理です。(介護保険法第70条第1項)
酒類販売業免許
国税庁のQ&Aに、個人で免許を受けた人が法人成りをする場合は、あらためて免許申請をして免許を受けなければならない場合があると書かれています。(酒税法第19条・国税庁Q&A)
薬局開設許可
東京都江戸川区の案内に、許可名義を変更する場合(個人から法人など)は新たに許可を取る必要があると書かれています。他の自治体の扱いは、薬局の所在地を管轄する保健所で確認します。(医薬品医療機器等法第4条)
事前の認可を受けるもの(3件)
個人が持つ許可を新しく作る法人へ移すことを、法律上の「事業の譲渡し・譲受け」にあたるものとして扱い、事業を移す前に国の認可を受けるものです。条文が個人や法人成りを名指ししているわけではなく、各個別ページでの当てはめです。
届出で承継できるもの(1件)
所管の案内で、法人成りでも許可の地位を承継できるとされ、新たな許可の取得し直しが要らないものです。
条文から扱いを決められないもの(5件)
承継の規定が条文に見当たらず、窓口の確認が必要なものです。
毒物劇物販売業登録
店舗ごとの登録で、相続・事業譲渡・法人成りで引き継ぐ規定が条文に見当たりません。廃業届は30日以内で、保健所へ確認します。(毒物劇物取締法第4条・第10条)
飲食店営業許可
自治体で扱いが分かれます。京都市は個人から法人への変更を新規の許可が必要な場合に挙げ、長野県は法人成りでも事業譲渡の地位承継届を受け付けています。営業所を管轄する保健所へ確認します。(食品衛生法第55条・第56条)
旅館業の営業許可
山梨県の案内は、営業者を個人から法人に変える場合を、承継の場合を除いて新規の営業許可申請の欄に挙げています。事業の全部を譲渡して事前に承継の承認を受ければ地位を承継でき、承認より前に譲渡の効力が生じると新規の許可が必要とする自治体(名古屋市)もあります。扱いは自治体で確認します。(旅館業法第3条の2〜第3条の4・山梨県の案内(2024年9月))
クリーニング所の開設届
東京都は営業を譲り受けた場合(個人から法人を含む)を承継届の対象に挙げ、島根県は開設者が個人から法人に変わる場合を開設届または営業者地位承継届としています。宮城県は営業者が変わるとき、前の営業者の廃止届と新しい営業者の開設届を求め、承継による場合を除くとしています。どちらになるかは保健所へ確認します。(クリーニング業法・東京都と島根県の案内)
深夜酒類提供飲食店営業の届出
届出事項に「氏名又は名称及び住所」があり、個人から法人に変わるとその内容が変わります。変更の届出で足りるか、廃止と開始の届出になるかは一次資料で確認できていないため、所轄警察署へ確認します。(風営法第33条)
許認可ではないが、法人成りで手続きが要るもの
このページに載せていない許認可
労働者派遣事業・質屋営業・店舗販売業・理容所・美容所などは、法人成りを明記した公式ページを確認できていないため、この比較表には載せていません。事業譲渡のときの扱いは、承継の扱い一覧で3区分を確認できます。個人の資格(医師・薬剤師・建築士など)は個人が受けるもので事業の許可とは別である点は、資格と許可の違いのページで整理しています。
よくある質問
- 個人事業の古物商許可は、法人成りしたらそのまま使えますか。そのままは使えません。許可を受けているのは個人なので、法人が自分の名義で新たに許可を受けます。個人の許可証は、古物営業を廃止したとき遅滞なく公安委員会へ返納する必要があります。出典:古物営業法第8条第1項第1号(e-Gov法令検索、2026年10月12日確認)
- 一般貨物自動車運送事業は、法人成りのとき新規の許可を取り直しますか。取り直しではなく、事業の譲渡し及び譲受けとして国土交通大臣の認可を受けます。認可を受けなければ効力を生じず、認可を受けて譲り受けた法人は、元の許可に基づく権利義務を承継します。法人同士の合併・分割とは条文の項が異なります。出典:貨物自動車運送事業法第30条第1項・第4項(e-Gov法令検索、2026年10月12日確認)
- 届出だけで引き継げる許認可はありますか。この表では製造たばこ小売販売業が当たります。財務省の案内で、同じ代表者のもとでの法人化も届出で地位を承継できるとされています。たばこ事業法第27条は、相続・合併・分割による承継の届出を定めています。ほかの許認可に広げて考えず、一覧の個別ページで確かめてください。出典:たばこ事業法第27条(e-Gov法令検索、2026年10月12日確認)、財務省の案内(個別ページ記載)
- 表に載っていない許認可は、法人成りでも同じ扱いですか。同じとは言えません。労働者派遣事業・質屋営業・店舗販売業・理容所・美容所などは、法人成りを明記した公式ページを確認できていないため、この表に載せていません。所管の窓口で確認してください。出典:このページ「このページに載せていない許認可」、各所管窓口
法人成りそのものの損益と手続きは姉妹サイトで
法人成りをするかどうかの損得は、姉妹サイトの所得別の法人成りの損益分岐点で確認できます。設立の流れ全体は法人成り(法人化)完全ガイドにまとまっています。
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