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個人事業の廃業にかかる費用の洗い出し表

廃業の手取りは、事業を売る場合との比較のために、出ていく現金を先に並べると見えます。2026年10月15日に条文と公式の案内で確認できた5項目について、金額の出し方を式にして並べました。式に当てはめた金額は仮定の数字の例で、実際の額は契約書と給与台帳で決まります。

式の数字は仮定の例です。実際の額は契約書や給与台帳で変わるため、判断の前に、契約書の確認と、税理士・社会保険労務士・所轄窓口への相談をおすすめします。

廃業で現金が出ていく項目(5項目)

  1. 店舗・事務所の原状回復:借りた後に生じた損傷を元に戻す費用。通常の使用による損耗と経年変化は借り主の負担に入らない
    民法第621条は、借りた後に生じた損傷を賃貸借の終了時に元に戻す義務を定め、通常の使用で生じた損耗と経年変化は含めません。国土交通省のガイドラインは、借り主の故意・過失や通常を超える使用による損耗を復旧する費用を借り主負担とし、経年変化・通常損耗の修繕費は賃料に含まれるとします。負担額は建物・設備の経過年数が長いほど減らす考え方で、毀損した部分に限った最小限の工事を基本とします。ただしガイドラインは市場家賃程度の民間賃貸住宅を想定したもので、事業用の店舗・事務所は契約書の特約が優先されることが多いため、見積書と契約書の原状回復条項を並べて確認します。
    根拠:民法第621条、国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」
  2. 店舗・事務所の賃貸借を終えるまでの賃料:期間の定めがない建物賃貸借は、解約申入れから3箇月で終了。この3箇月分の賃料が廃業の費用になる
    期間を定めなかった建物の賃貸借は、解約の申入れの日から3箇月で終了します。式にすると「月額賃料(共益費を含む場合はその額)×3か月」です。たとえば月額賃料が12万円と仮定すると36万円で、申入れの時期を早めるほど、事業をやめた後に払う賃料は短くなります。期間の定めがあっても解約する権利を留保していれば同じ規定が準用されます。留保がない契約は、契約書の中途解約条項や賃貸人との合意で、残りの期間の賃料や違約金の扱いが決まります。
    根拠:民法第617条・第618条
  3. リースの中途解約:ファイナンス・リースは基本的に中途解約が禁止。解約するときは残期間のリース料または相当する違約金を一括で支払う
    リース事業協会は、ファイナンス・リースではリース会社が物件代金をリース期間中のリース料で回収する前提のため、リース期間中の解約を基本的に禁止し、中途解約する場合は残期間のリース料またはそれに相当する違約金を一括で支払う旨を契約で定めると説明しています。目安の式は「月額リース料×残りの月数」です。たとえば月額3万円で残り24か月と仮定すると72万円で、廃業の時期を契約満了に近づけるほど減ります。実際の違約金の計算式は契約書ごとに違うため、解約条項の確認が必要です。
    根拠:公益社団法人リース事業協会「リース契約の特徴」「リース契約書の主な条項」
  4. 従業員への解雇予告手当:30日前までに予告しないと、30日分以上の平均賃金を支払う。平均賃金は直前3箇月の賃金総額÷その期間の総日数
    使用者は少なくとも30日前に解雇を予告します。予告をしない場合は30日分以上の平均賃金を支払い、予告の日数は、1日について平均賃金を支払った日数だけ短縮できます。平均賃金は、算定すべき事由が発生した日以前3箇月に支払われた賃金の総額を、その期間の総日数(暦日数)で割った額です。賃金締切日がある場合は直前の賃金締切日から数えます。臨時に支払われた賃金と3箇月を超える期間ごとの賃金は総額に入れません。たとえば月給25万円の人で3箇月の総日数が92日と仮定すると、250,000円×3÷92日で約8,152円、30日分は約24万4,565円です。15日前に予告できれば、残り15日分の約12万2,283円で済みます。ただし日給・時給など労働日数で賃金が決まる人は、総額を労働日数で割った額の60%を下回れないという最低保障があり、この例より高くなることがあります。
    根拠:労働基準法第20条・第12条
  5. 従業員の最後の賃金・積立金の返還:退職した人から請求があれば、7日以内に賃金を支払い、積立金・保証金などを返還する
    労働者が退職した場合に請求があったときは、7日以内に賃金を支払い、積立金、保証金、貯蓄金その他名称を問わず労働者の権利に属する金品を返還します。賃金や金品に争いがある場合も、異議のない部分は同じ期間中に支払います。最終月の給与の支払日を待たずに請求が来うるため、資金を廃業の日より前に取り分けておきます。
    根拠:労働基準法第23条

よくある質問

  1. 廃業の費用で、いちばん見落としやすいのはどれ?
    契約期間が残っているリースと店舗の賃貸借です。リースは基本的に中途解約が禁止で、解約するときは残期間のリース料または相当する違約金を一括で払う旨が契約で定められるとリース事業協会は説明しています。賃貸借も、期間の定めがあって解約権の留保がなければ、残りの期間の賃料が出ていくことがあります。契約書で残りの期間と解約条項を先に確認します。
    出典:公益社団法人リース事業協会「リース契約の特徴」(2026-10-15確認)
  2. 従業員に払う解雇予告手当は、いくらになる?
    30日前に予告しなかった場合は、30日分以上の平均賃金です。平均賃金は、直前3箇月の賃金総額をその期間の総日数で割った額です。予告の日数は、1日について平均賃金を払った場合にその日数だけ短縮できます(労働基準法第20条第2項)。日給・時給の人には、労働日数で割った額の60%という最低保障があります(第12条第1項)。
    出典:労働基準法第12条・第20条(e-Gov法令検索、2026-10-15確認)
  3. 原状回復の費用は、どこまで借り主が負担する?
    民法第621条は、借りた後に生じた損傷を元に戻す義務を定める一方、通常の使用による損耗と経年変化は除いています。国土交通省のガイドラインは、借り主の負担を経過年数が長いほど減らす考え方です。ただし住宅向けの基準なので、店舗・事務所は契約書の特約と見積書で確認します。
    出典:民法第621条、国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(2026-10-15確認)

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