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個人事業の廃業で在庫・車両・設備はどう課税されるか

廃業するときは、売れ残った在庫や事業用の車両・設備の扱いが手取りに響きます。2026年10月15日に国税庁の案内を確認したところ、課税事業者が廃業すると、事業用でなくなった車両等は廃止時に家事のために使ったものとみなされ、消費税の課税対象になります。

ここでは国税庁の案内の整理にとどめ、個別の税額は計算しません。免税事業者、簡易課税、インボイス登録の細部、個々の資産の評価額は確認できた範囲に含めていません。申告前に所轄の税務署または税理士へご確認ください。

廃業のときの在庫・事業用資産と税について確認できたもの(7件)

  1. 事業用資産を売却したとき:機械や建物等の事業用資産の売却は課税売上げ。土地の売却・貸付けは非課税取引
    課税売上げには、商品の売上げのほか、機械や建物等の事業用資産の売却など、事業のための資産の譲渡が含まれます。ただし、土地の売却や貸付けなどの非課税取引は課税売上げに含まれません。課税事業者が廃業前に設備を売るときは、その売却代金に消費税がかかる整理です。
    根拠:国税庁タックスアンサーNo.6355
  2. 廃業で事業用でなくなった資産:廃止時点で家事のために消費・使用したものとみなされ(みなし譲渡)、課税対象になる
    個人事業者が事業を廃止すると、事業用資産に該当しなくなった車両等の資産は、廃止した時点で家事のために消費または使用したものとして、対価を得て譲渡したものとみなされます(みなし譲渡)。非課税取引に当たらない限り、消費税の課税対象です。対価を受け取っていなくても課税されうる点が、廃業の手取りの計算で見落としやすい部分です。
    根拠:国税庁タックスアンサーNo.6603(消費税法第4条ほか)
  3. みなし譲渡の金額:廃止時の通常売買される価額(時価)。一般的には未償却残高とすることができる
    課税標準額に含める金額は、事業を廃止した時のその資産の通常売買される価額(時価)です。国税庁は、一般的にはその資産の未償却残高とすることができると案内しています。含める時期は、事業を廃止した日の属する課税期間です。個別の資産の評価は、所轄の税務署や税理士にご確認ください。
    根拠:国税庁タックスアンサーNo.6603
  4. 在庫(棚卸資産)を自分で使ったとき(消費税):仕入価額以上かつ通常の販売価額のおおむね50%以上の金額で申告すれば認められる
    個人事業者が棚卸資産などを家事のために消費または使用する自家消費は、原則としてそのときの時価が課税標準です。ただし棚卸資産の場合は、仕入価額以上で、かつ通常他に販売する価額のおおむね50パーセント以上の金額を対価の額として確定申告したときは、その取扱いが認められます。
    根拠:国税庁タックスアンサーNo.6317(消費税法基本通達10-1-18)
  5. 在庫を自分で使ったとき(所得税):その時の価額が事業所得の収入に入る。仕入価額(通常の販売価額のおおむね70%が下限)で計算してもよい
    たな卸資産を家事のために消費した場合は、その消費した時の価額が、その年分の事業所得などの総収入金額に算入されます。国税庁の案内では、原則は通常の販売価額ですが、仕入価額で計算しても差し支えありません。ただし仕入価額が通常の販売価額のおおむね70%より低いときは、通常の販売価額の70%の金額で計算します。消費税の50%とは基準が異なります。
    根拠:所得税法第39条、国税庁 確定申告書等作成コーナー「家事消費などの収入金額」
  6. 事業廃止届出書:事由が生じた場合速やかに提出。適格請求書発行事業者の登録の取消しもこの届出書で行う
    課税事業者が事業を廃止したときは、事業廃止届出書を提出します。期限は「事由が生じた場合速やかに」です。適格請求書発行事業者が事業の廃止に伴って登録を取り消すときは、取消しを求める届出書ではなく事業廃止届出書を出します。課税事業者選択不適用届出書や簡易課税制度選択不適用届出書などに事業を廃止した旨を書いて出した場合も、事業廃止届出書を出したものと取り扱われます。
    根拠:国税庁タックスアンサーNo.6603
  7. 最後の消費税の申告:廃止の日の属する課税期間分の申告(中間申告を含む)が必要
    消費税の課税事業者である個人事業者が事業を廃止した場合は、廃止の日の属する課税期間に係る消費税の申告(中間申告を含みます)が必要です。みなし譲渡の金額も、この申告の課税標準額に含めます。申告先は所轄の税務署です。
    根拠:国税庁タックスアンサーNo.6603

よくある質問

  1. 廃業した後に使わなくなった車や機械は、売らなくても消費税がかかる?
    課税事業者が廃業した場合は、事業用でなくなった車両等が廃止時にみなし譲渡とされ、非課税取引に当たらない限り課税対象になると国税庁は案内しています。金額は廃止時の時価で、一般的には未償却残高とすることができます。免税事業者の扱いはこのページでは確認していません。
    出典:国税庁タックスアンサーNo.6603(令和8年4月1日現在法令等、2026-10-15確認)
  2. 売れ残った在庫を廃業後に自分で使う場合、いくらで計上する?
    消費税は、仕入価額以上でかつ通常の販売価額のおおむね50%以上の金額で申告すれば認められます。所得税は、原則は通常の販売価額で、仕入価額で計算してもよく、仕入価額が通常の販売価額のおおむね70%より低いときは70%で計算します。基準が異なるため、両方を別々に確認します。
    出典:国税庁タックスアンサーNo.6317、所得税法第39条、確定申告書等作成コーナー(2026-10-15確認)
  3. 事業廃止届出書はいつまでに出す?
    国税庁の案内では「事由が生じた場合速やかに」で、日数の定めは示されていません。適格請求書発行事業者の登録の取消しも、この届出書で行います。
    出典:国税庁タックスアンサーNo.6603
  4. 廃業ではなく事業譲渡にすると、在庫や設備の課税はどうなる?
    売却は課税売上げの扱いですが、譲渡する資産ごとの課税・非課税の区分や金額の決め方は、このページでは確認していません。譲渡した場合の税は、事業用資産を従業員が買い取るときの別ページや税理士にご確認ください。
    出典:国税庁タックスアンサーNo.6355

確認できていないもの

免税事業者のとき、簡易課税の事業者のとき、法人が廃業するとき、売却益にかかる所得税の計算、廃業時の必要経費の特例は、今回確認していません。税務署への届出の一覧は個人事業の経営者が死亡・廃業するときの税務署手続き、事業用資産を従業員に売る場合は事業用資産を従業員が買い取るときの税金を確認してください。

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