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労働者派遣事業の許可の承継(合併・分割・事業譲渡・相続)の取扱い

労働者派遣事業は厚生労働大臣の許可制です。労働者派遣法には、許可を相続・譲渡・合併で引き継ぐ規定が見当たりません。そのため、事業を引き継ぐ側は、原則として自分で許可を受けている必要があります。厚生労働省の許可・届出の手引きには、合併・分割・事業譲渡と個人事業主の死亡のときの取扱いが定められており、このページはその内容を整理したものです。

手続きの内訳

  1. 許可は事業を行う者ごとに必要で、名義を貸すことはできない
    労働者派遣事業を行おうとする者は、厚生労働大臣の許可を受けなければなりません。許可を受けた事業主が、自分の名義を他人に貸して派遣事業を行わせることは禁止されています。事業譲渡や相続のあと、引き継いだ人が許可なしで派遣を続けると、無許可の事業になるおそれがあります。
    出典:労働者派遣法第5条第1項、厚生労働省「労働者派遣事業許可・届出の手引き」の許可証の備付の項(名義貸しの禁止)(e-Gov法令検索・厚生労働省、2026-10-12確認)
  2. 吸収合併:存続法人が許可を持っていなければ新規許可、持っていれば新規許可は不要
    合併前に存続する法人が許可を受けておらず、消滅する法人が許可を受けていて、合併後に存続法人が派遣事業を行うときは、新規許可の申請が必要です。許可の空白を避けるため、合併を議決した株主総会議事録などを付けて、合併の日と同じ日付で許可されるよう事前に申請するものとされています。存続法人が合併前から許可を受けているときは、新規許可は不要です。名称などが変わるときは変更の届出、事業所が増えるときは事業所の新設の届出が要ります。
    出典:厚生労働省の手引き「派遣事業開始以後の手続等は」の「法人の合併等の際の取扱い」イ(厚生労働省、2026-10-12確認)
  3. 新設合併・新設分割:新しくできた法人が派遣事業を行うなら、新規許可
    新設合併で新しくできた法人が派遣事業を行うときは、新規許可の申請が必要です。新設分割で、許可を持つ会社から新しい会社へ事業を移すときも、元の会社が許可を持っていても、新しい会社は新規許可の申請が要ります。いずれも、事前に申請する手続きが用意されています。
    出典:同手引き「法人の合併等の際の取扱い」ロ・ニ(厚生労働省、2026-10-12確認)
  4. 吸収分割・事業譲渡:吸収合併に準じて、受け取る側の許可の有無で分かれる
    既にある別の法人に事業を引き継がせる吸収分割は、吸収合併の取扱いに準じるとされ、事業譲渡・譲受は吸収分割に準じるとされています。つまり、事業を受け取る側がまだ許可を持っていなければ新規許可の申請、持っていれば新規許可は不要です。手放す側は、事業所数などが変わるときに、変更の届出か事業廃止の届出が要ります。
    出典:同手引き「法人の合併等の際の取扱い」ハ・ホ(厚生労働省、2026-10-12確認)
  5. 個人事業主が死亡したとき:30日間は現在の派遣契約に限って続けられ、続けるなら新規許可を申請
    個人事業主が亡くなったときは、10日以内に同居の親族または法定代理人が労働局へ届け出ます。届け出たときは、届け出た人の責任で、死亡の日に有効な派遣契約に限り、30日間は派遣を続けても差し支えないとされています。その期間内に事業を続ける人が許可を申請したときは、明らかに許可できない場合を除き、許可が決まるまで同じ契約の派遣を続けることが認められます。
    出典:同手引き「個人事業主が死亡した場合」(厚生労働省、2026-10-12確認)
  6. 事業をやめるとき:遅滞なく廃止の届出
    派遣元事業主は、労働者派遣事業を廃止したときは、遅滞なく、その旨を厚生労働大臣に届け出ます。
    出典:労働者派遣法第13条第1項(e-Gov法令検索、2026-10-12確認)
このページは、許可の承継の取扱いだけを扱います。許可の要件(資産要件・事務所要件・派遣元責任者など)、手数料、申請書類、派遣中の労働者との契約の引継ぎは扱いません。手引きは行政の運用の定めで、個別の事案は申請先の労働局の判断になります。引継ぎの形を決める前に、事業主の主たる事務所を管轄する都道府県労働局の需給調整事業部門に確認してください。

よくある質問

  1. 労働者派遣事業の許可は、相続や事業譲渡で引き継げる?
    労働者派遣法には、許可を相続や譲渡で引き継ぐ規定が見当たりません。引き継ぐ側は、原則として自分で許可を受けている必要があります。許可を受けた事業主が名義を他人に貸して派遣事業を行わせることも禁止されています。
    出典:労働者派遣法第5条第1項、厚生労働省「労働者派遣事業許可・届出の手引き」(2026-10-12確認)
  2. 派遣事業を営む個人事業主が亡くなったら、派遣を続けられる?
    10日以内に同居の親族または法定代理人が労働局へ届け出ると、届け出た人の責任で、死亡の日に有効な派遣契約に限り30日間は派遣を続けても差し支えないとされています。その期間内に事業を続ける人が許可を申請すれば、明らかに許可できない場合を除き、許可が決まるまで同じ契約の派遣を続けられます。
    出典:厚生労働省「労働者派遣事業許可・届出の手引き」個人事業主が死亡した場合(2026-10-12確認)
  3. 派遣事業をやめるときの届出は、いつまでに必要?
    廃止したとき、遅滞なく厚生労働大臣に届け出ます。日数の定めはありません。届出があると、第5条第1項の許可は効力を失います。
    出典:労働者派遣法第13条第1項・第2項(e-Gov法令検索、2026-10-12確認)

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