無料公開中労災保険の特別加入と廃業(中小事業主・一人親方)
事業主本人や一人親方が入っている労災保険の特別加入が、廃業や承継でどう扱われるかを、労災保険法と厚生労働省のしおりで確認しました。確認日は2026年10月14日です。 事業譲渡や事業主の死亡で引き継げるかは、確認できた範囲だけを載せています。
特別加入とは
労災保険は労働者のための保険で、事業主や一人親方など労働者以外の人は、承認を受けた場合に限り特別加入として業務災害・通勤災害などの給付を受けられます(労災保険法第33条〜第36条)。第33条は、一定数以下の労働者を使う事業の事業主で労働保険事務組合に事務を委託する人とその事業の従事者(第1号・第2号)、労働者を使わずに事業を行う一人親方など(第3号・第4号)、特定の作業の従事者(第5号)、海外派遣者(第6号・第7号)を対象に挙げています。
廃業・脱退で地位がなくなる場面
| 区分 | 地位が消滅する場面 | 消滅の日 |
|---|---|---|
| 中小事業主等 | 事業を廃止または終了した | 廃止または終了の日の翌日 |
| 中小事業主等 | 使用する労働者の保険関係が消滅した | 保険関係が消滅した日 |
| 中小事業主等 | 労働保険事務組合への事務委託を解除した | 解除の日 |
| 一人親方等 | 特別加入者の要件を満たさなくなった | その日 |
| 一人親方等 | 特別加入団体の構成員でなくなった | その日 |
| 一人親方等 | 特別加入団体が解散した | 解散の日の翌日 |
脱退申請の手続き
| 項目 | 中小事業主等 | 一人親方等 |
|---|---|---|
| 提出する書類 | 特別加入脱退申請書(中小事業主等及び一人親方等) | 同じ書類(団体が提出) |
| 提出の経路 | 労働保険事務組合を通じて監督署長を経由し、労働局長へ | 団体が監督署長を経由して労働局長へ |
| 申請の範囲 | 中小事業主と、その事業に従事する労働者以外の加入者全員を包括 | 団体の構成員全員を包括(特定の人だけは変更届) |
| 承認の時期 | 脱退申請の日から30日以内で、申請者が脱退を希望する日 | 同じ |
労災保険法第34条第2項は、事業主が政府の承認を受けて、包括した加入者を給付の対象としないこともできると定めています。
承継・事業主の死亡のとき
特別加入の地位を、事業の譲受人や相続人へ引き継ぐ定めは、労災保険法第33条〜第36条と二つのしおりには確認できませんでした。中小事業主等の特別加入は、使用する労働者について成立している保険関係を前提に認められるため、事業主が変わる場合は、新しい事業主について保険関係と特別加入の手続きを確認する必要があります。事業主の死亡の場合の起算日や届出も、確認できた資料にはありません。労働基準監督署に確認してください。
廃業の前に確認しておくこと
- 今の特別加入が、中小事業主等か一人親方等か(加入時の承認通知で確認)
- 廃業日と、特別加入の地位が消滅する日(中小事業主は廃止の翌日)
- 労働保険事務組合や特別加入団体への連絡と、脱退申請の要否
- 特別加入の保険料の精算と、従業員の労働保険の手続き(別ページ)
このページは条文としおりを整理したもので、個別の加入状況や手続きの要否を断定しません。事業譲渡・事業主の死亡での引き継ぎ、脱退申請の要否、保険料の精算は確認できていません。手続きの前に、労働基準監督署か加入している労働保険事務組合・特別加入団体へ確認してください。
よくある質問
- 廃業したら、特別加入の脱退申請は必要ですか?中小事業主が事業を廃止または終了した場合、しおりは、廃止または終了の日の翌日に特別加入者としての地位が消滅すると説明しています。別に脱退申請が要るかは、このしおりの記載からは読み取れません。労働保険事務組合か労働基準監督署に、廃業の届出と合わせて確認してください。出典:厚生労働省「特別加入制度のしおり(中小事業主等用)」12ページ(2026年10月14日確認)
- 事業を譲渡したり、事業主が亡くなったりしたら、特別加入は引き継げますか?労災保険法第33条〜第36条と二つのしおりには、特別加入の地位を譲受人や相続人へ引き継ぐ定めを確認できませんでした。新しい事業主が特別加入を希望する場合は、しおりの「初めて特別加入を申請する場合」の手続きになるかを含め、労働基準監督署に確認してください。出典:労働者災害補償保険法第33条〜第36条(e-Gov)、厚生労働省しおり(2026年10月14日確認)
- 特別加入をやめたあと、それまでの災害の給付は受けられなくなりますか?労災保険法第34条第4項は、特別加入者の保険給付を受ける権利は、承認が取り消されても、その人が特別加入者でなくなっても変更されないと定めています。第34条は中小事業主等の規定で、一人親方等については第35条第5項が、団体から脱退したときなどでも権利は変更されないと定めています。出典:労働者災害補償保険法第34条(e-Gov、2026年10月14日確認)
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