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育成者権(品種登録)は、相続・事業譲渡で引き継げるか

新しい品種を育成して品種登録を受けると、育成者権が発生します。2026年10月16日に種苗法の条文を確認したところ、売買や事業譲渡で育成者権を移すときは移転の登録が効力の要件で、相続などの一般承継では登録は要らず、遅滞なく農林水産大臣へ届け出る定めでした。

ここでは条文の整理にとどめ、個別の判断はしません。届出書の様式、提出先、登録料の実際の金額は農林水産省の案内で確認できていないため、実際の手続きは農林水産省の品種登録の窓口で確認してください。

育成者権の移転について確認できたもの(7件)

  1. 育成者権とは:品種登録で発生し、登録品種を業として利用する権利を専有。存続期間は登録から35年(一部は40年)
    育成者権は品種登録によって発生します。育成者権者は、登録品種と、特性により明確に区別されない品種を、業として利用する権利を専有します。存続期間は登録の日から35年で、第4条第2項に規定する品種(条文上は別に定められた品種)は40年です。育成者権を持つ個人の育種家や農家は、品種を使った種苗の販売や生産から収入を得ている場合があります。
    根拠:種苗法第19条・第20条第1項
  2. 事業譲渡などで育成者権を移すとき:相続その他の一般承継を除く移転は、登録しなければ効力を生じない
    育成者権を売買や贈与などで移す場合は、移転の登録をしなければ効力が生じません。品種を扱う事業を譲り渡す契約をしても、育成者権の移転の登録が済むまでは、育成者権は移っていない扱いです。登録の申請先と様式は、今回確認できていないため、農林水産省で確認してください。
    根拠:種苗法第32条第1項第1号
  3. 相続のとき:相続その他の一般承継は登録なしで効力が生じるが、遅滞なく農林水産大臣に届出
    相続その他の一般承継による移転は、登録が効力の要件から除かれています。そのかわり、第2項で、遅滞なく農林水産省令で定めるところにより農林水産大臣へ届け出ることが義務づけられています。日数の定めは条文になく、「遅滞なく」とだけ書かれています。届出書の様式と添付書類は、今回確認できていません。
    根拠:種苗法第32条第1項・第2項
  4. 専用利用権を持っているとき:品種の利用の事業とともにする場合・育成者権者の承諾・相続などの一般承継に限り移転できる
    専用利用権は、品種の利用の事業とともにする場合、育成者権者の承諾を得た場合、相続その他の一般承継の場合に限って移転できます。事業ごと譲渡するときは、事業とともにする場合にあたります。専用利用権の移転も、相続などの一般承継を除いて、登録しなければ効力を生じません。
    根拠:種苗法第25条第3項・第32条第1項第2号
  5. 共有の育成者権:持分の譲渡は、ほかの共有者の同意が要る
    育成者権が共有のときは、各共有者は、ほかの共有者の同意を得なければ持分を譲渡できません。共同で育成した品種を持つ人が事業を譲る場合は、先に共有者の同意を確認する必要があります。この条文は譲渡についての定めで、相続による持分の承継そのものは別の整理になるため、条文からは判断しません。
    根拠:種苗法第23条第1項
  6. 相続人がいないとき:民法第959条により国庫に帰属すべきときは、育成者権は消滅
    育成者権者である個人が亡くなり、相続人がおらず、民法第959条により国庫に帰属すべき場合は、育成者権が消滅します。後継者がいない個人の育種家は、育成者権を誰に引き継ぐかを、生前に決めておくかどうかで、この規定にあたるかが分かれます。
    根拠:種苗法第24条第2号
  7. 登録料の払い忘れ:毎年の登録料は前年以前に納付。過ぎても6か月以内は割増登録料を足して追納できる
    育成者権者は、存続期間の満了まで毎年、一件ごとに3万円を超えない範囲で農林水産省令が定める額の登録料を納付します。第2年以後の登録料は前年以前に納めます。期間内に納められないときは、期間経過後6か月以内に、同額の割増登録料を加えて追納できます。育成者権を承継したら、次の登録料の納付期限を農林水産省で確認してください。登録料の実際の金額は、今回確認できていません。
    根拠:種苗法第45条第1項・第6項・第7項・第8項

よくある質問

  1. 個人の育種家が亡くなったとき、相続人は育成者権の移転登録をしないと権利を持てませんか?
    種苗法第32条は、相続その他の一般承継による移転を、登録がなければ効力を生じない事項から除いています。登録しなくても承継できますが、そのかわり遅滞なく農林水産大臣へ届け出なければなりません。
    出典:種苗法第32条(e-Gov法令検索、2026年10月16日確認)
  2. 品種を扱う事業を第三者に譲るとき、育成者権も一緒に移りますか?
    事業譲渡の契約だけでは足りません。育成者権の移転は、相続などの一般承継を除き、登録しなければ効力を生じません。専用利用権は、品種の利用の事業とともに移す場合に移転できる定めがあります。
    出典:種苗法第25条第3項・第32条第1項(e-Gov法令検索、2026年10月16日確認)
  3. 育成者権を共有している場合、自分の持分だけ譲渡できますか?
    ほかの共有者の同意を得なければ、持分を譲渡できません。同意を得る前に事業譲渡の契約を進めないように注意してください。
    出典:種苗法第23条第1項(e-Gov法令検索、2026年10月16日確認)
  4. 肥料や種苗の販売業の届出とは別の手続きですか?
    別です。種苗の販売業などの届出は、肥料・飼料・種苗を売る事業についての手続きです。育成者権は、品種を育成した人が持つ権利で、品種登録で発生し、移転や相続の扱いは種苗法の別の条文が定めています。
    出典:種苗法第19条・第32条(e-Gov法令検索、2026年10月16日確認)

確認できていないもの

届出書と移転登録申請書の様式・添付書類・提出先、登録料の実際の額、相続による共有持分の承継の扱い、海外での品種登録の扱いは、今回確認していません。肥料・種苗を売る事業の届出は肥料・飼料・種苗の販売業の届出で確認できます。事業全体の手取り比較はトップページを確認してください。

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