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事業譲渡・相続での商標権・特許権の移転登録

個人事業を譲る、または相続で引き継ぐときに、登録商標や特許を持っている場合の手続きを整理します。商標権・特許権は許認可ではなく財産権で、特許庁の原簿に登録して移します。事業譲渡の契約を結んだだけでは移らない点と、相続では届出になる点が、ほかの許認可の承継と異なります。

手続きの内訳

  1. 屋号・商号と商標は別のもの。商標権は特許庁への登録で生まれる
    商標権は設定の登録により発生し、特許権も同じく設定の登録により発生します。屋号として使っているだけで登録をしていなければ、移す商標権はありません。商号の譲渡や登記は別の制度です(屋号と商号の違い、商号の譲渡登記)。持っている権利が登録済みかどうかは、特許庁の特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で調べられます。
    出典:商標法第18条第1項、特許法第66条第1項(e-Gov法令検索、2026-10-12確認)
  2. 事業譲渡:移転登録をしなければ効力が生じない
    商標権・特許権の移転は、登録しなければ効力を生じません(相続その他の一般承継を除く)。事業譲渡の契約で権利を譲る約束をしたあとに、特許庁へ移転登録を申請します。登録の効力は、申請書の受付の日から生じるとされています。不備がなければ、受付から土日祝日を除き15日で原簿に登録されるのが目安です。
    出典:商標法第35条、特許法第98条第1項第1号(e-Gov法令検索)、特許庁「移転登録申請の受付から原簿への登録まで」(2026-10-12確認)
  3. 相続:登録がなくても効力は生じ、遅滞なく届け出る
    相続その他の一般承継による移転は、登録をしなくても効力が生じます。ただし、遅滞なく特許庁長官へ届け出る定めです。特許庁には、相続による移転登録の申請書の様式が用意されています。
    出典:特許法第98条第1項第1号・第2項、商標法第35条、特許庁「相続による商標権移転登録申請書」様式(2026-10-12確認)
  4. 商標権は区分ごとに分けて移せる。移せない商標もある
    指定商品・指定役務が2つ以上あるときは、商品・役務ごとに分けて移転できます。地域団体商標の商標権は譲渡できません。公益に関する事業を営利目的でなく行う者の商標権は、その事業とともにする場合を除き移転できません。
    出典:商標法第24条の2第1項・第3項・第4項(e-Gov法令検索、2026-10-12確認)
  5. 費用:登録免許税(1件につき)
    商標権は相続・合併で3,000円、事業譲渡などその他の原因で30,000円です。特許権は相続・合併で3,000円、その他の原因で15,000円です。収入印紙等で納め、特許印紙では納められません。住所や氏名の変更の登録は、どちらも1件につき1,000円です。
    出典:特許庁「登録免許税一覧」、「移転登録申請の受付から原簿への登録まで」(2026-10-12確認)
このページは、移転の効力と登録免許税だけを扱います。申請書の書き方、添付書類の詳細、実用新案権・意匠権、使用権の設定、譲渡の対価の税務は扱いません。譲渡人が事業を廃止する場合の特許料・更新登録料の納付や、譲渡価格の決め方は、弁理士または税理士に確認してください。

よくある質問

  1. 事業譲渡の契約書に商標権を含めれば、それだけで移るの?
    契約だけでは効力が生じません。商標権・特許権の移転(相続その他の一般承継を除く)は、特許庁の原簿に登録しなければ効力を生じません。譲渡人と譲受人が移転登録を申請します。
    出典:商標法第35条(特許法第98条第1項第1号の準用)、特許法第98条第1項第1号(e-Gov法令検索、2026-10-12確認)
  2. 亡くなった個人事業主の商標権・特許権は、相続人の登録がないと使えない?
    相続は登録しなくても効力が生じ、遅滞なく特許庁長官へ届け出る定めです。届出は条文の定めで、特許庁の案内では相続による移転登録の申請書の様式があり、被相続人の死亡と相続人であることを示す書類を添えます。
    出典:特許法第98条第1項・第2項、商標法第35条、特許庁「相続による商標権移転登録申請書」様式(2026-10-12確認)
  3. 移転登録の費用はいくら?
    登録免許税が1件につき、商標権は相続・合併で3,000円、その他の原因(事業譲渡など)で30,000円です。特許権は相続・合併で3,000円、その他の原因で15,000円です。収入印紙等で納め、特許印紙では納められません。
    出典:特許庁「登録免許税一覧」、特許庁「移転登録申請の受付から原簿への登録まで」(2026-10-12確認)

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