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事業承継時の経営者保証(二重徴求の例外4つ)

事業を引き継ぐとき、借入の経営者保証が前経営者と後継者の両方に付くのかを、「経営者保証に関するガイドライン」の事業承継の特則の本文で確認しました。確認日は2026年10月14日です。 保証料や金利、金融機関ごとの運用は資料に定めがないため載せていません。

原則は二重徴求をしない

特則は、事業承継時の経営者保証について、原則として前経営者と後継者の双方から二重には保証を求めないとしています。 二重徴求とは、同じ貸付に対して前経営者と後継者の両方から経営者保証を取ることです。代表者交代前の貸付は前経営者、交代後の新しい貸付は後継者だけから取る場合は、二重徴求に当たりません。

出典:特則 1・2(1)

二重徴求が例外的に認められる4つの場合

例外特則の内容
① 事務手続の間だけ前経営者が亡くなり、相続が確定するまでの間など、事務手続が終われば前経営者の保証を外す予定で、一時的に二重になる場合
② 前経営者への貸付金が残る前経営者が引退して経営権・支配権を持たないが、法人から前経営者への多額の貸付金が残り、返済されないと法人の返済能力を著しく損なう。そのため前経営者の保証を外すと著しく公平を欠くとして、後継者が外さないよう求める場合
③ 金融支援中・返済の延滞有利な条件変更をしている先や元金の返済が事実上延滞している先で、前経営者から後継者へ多額の資産が移った、または法人から双方へ多額の貸付金が残るなど、保証の効果が大きく損なわれる場合
④ 双方が自分の事情で申し出る前経営者と後継者の双方が、専ら自らの事情で保証の提供を申し出て、二重徴求の扱いの説明後も意向が変わらない場合。金融機関から要求されていないことが必要で、自署・押印した書面の提出などで確かめます
出典:特則 2(1)①〜④

特則は、単独代表から複数代表になったことや、代表権は後継者に移ったが株式の大半を前経営者が持っていることだけを理由に、二重徴求を判断しないよう金融機関に求めています。

保証を求めない可能性が検討される要件

後継者の個人保証なしで新たに借りたい場合、事業主と後継者は、まず次の3つの経営状態であることが求められます(ガイドライン第4項(1))。法人と経営者の関係の区分・分離、財務基盤の強化、財務状況の正確な把握と適時適切な情報開示です。特則は、この要件が足りないなら、承継の前に自分から経営改善に取り組むよう求めています。 そのうえで金融機関が、保証を求めない可能性を検討するときの要件は、ガイドライン第4項(2)の次の5つです(法人の場合の書き方。個人事業は借入の形で読み替えが要るため、金融機関に確認してください)。

  1. イ 資産・経理の分離
    法人と経営者個人の資産・経理が明確に分離されている
  2. ロ 資金のやりとり
    法人と経営者の間の資金のやりとりが、社会通念上適切な範囲を超えない
  3. ハ 返済能力
    法人のみの資産・収益力で借入返済が可能と判断し得る
  4. ニ 情報提供
    法人から適時適切に財務情報等が提供されている
  5. ホ 物的担保
    経営者等から十分な物的担保の提供がある
出典:ガイドライン 4(2)、特則 3

ガイドラインは、これらが将来にわたって満たされると見込まれるとき、経営者保証を求めない可能性や、代替の融資手法を検討するとしています。代替手法は、特約(報告義務など)に反しない限り保証の効力が生じない停止条件付保証契約と、特約を満たすと保証の効力がなくなる解除条件付保証契約です。 特則は、後継者について要件の多くを満たさない場合でも、総合的な判断で保証を求めない対応ができないかを真摯かつ柔軟に検討するよう金融機関に求めています。

前経営者が保証を外したいとき

前経営者は、実質的な経営権・支配権を持つといった特別の事情がなければ、いわゆる第三者に当たる可能性があり、特則は保証契約の見直しを求めています。引き続き保証を求める場合、金融機関は次の点を考えて必要性を慎重に検討するとされています。

出典:特則 2(3)

承継後は、株式の移転や経営権・支配権の移転があったとき、金融機関が適切な時期に保証の解除を検討できるよう、速やかに金融機関へ報告することが求められています。

このページは、ガイドラインと特則に書かれた金融機関への求めと、事業主に求められる経営状態を整理したものです。個々の借入で保証が外れるかは、金融機関の判断で決まります。特則は令和2年4月1日から適用され、令和5年4月の改定で、確認の窓口が中小企業活性化協議会に変わっています。最新の運用と手続は、借入先の金融機関と事業承継・引継ぎ支援センター等へ確認してください。

よくある質問

  1. 後継者は、前経営者の保証をそのまま引き継ぐことになりますか?
    特則は、前経営者の保証債務を後継者に当然に引き継がせるのではなく、必要な情報開示を得たうえで、保証契約が必要かを金融機関が改めて検討するよう求めています。経営者保証が事業承継の妨げになり得ることも考慮するとされています。
    出典:特則 2(2)、ガイドライン 6(2)②イ)(2026年10月14日確認)
  2. 個人事業主の借入にもこのガイドラインは使えますか?
    ガイドラインのQ&Aは、個人事業主も対象に含まれると答えています。ただし、個人事業の借入は事業主本人が債務者のため、保証の外し方は借入の形によって変わります。自分の借入が対象になるかは、借入先の金融機関に確認してください。
    出典:ガイドラインQ&A Q.3
  3. 金融機関が保証を外してくれなかったときは、どうすればよいですか?
    特則は、金融機関に対し、どの要件が足りないから保証が必要なのか、どう改善すれば解除の可能性が高まるのかを個別・具体的に説明するよう求めています。説明を受けて、足りない要件を事業承継の前に整えるのが、資料上の進め方です。
    出典:特則 2(4)、3

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このページは会員登録・課金機能を持たず、入力値も扱いません。制度根拠・確認日は 一次情報台帳を参照してください。経営者保証ガイドラインのQ&A(全国銀行協会掲載PDF)も参照できます。